料理の現場において、多くの人が経験する「豆乳スープのモロモロ現象」。これはスープが傷んでいるわけではなく、豆乳に含まれる主要タンパク質であるグリシニンやコングリシニンが熱と酸・塩分によって凝集(熱凝固)してしまう物理現象です。
日本食品標準成分表や食品加工学の知見によると、大豆タンパク質はおよそ65℃〜70℃を超えたあたりから変性が始まり、沸騰(100℃)状態が続くと完全に結合して固形化します。さらに味噌に含まれる塩分がその凝集作用を加速させるため、沸騰した鍋に豆乳と味噌を同時に放り込むと、まるでカッテージチーズのような分離状態に陥ってしまいます。
これを防ぎ、シルクのようになめらかな口当たりを保つための豆乳味噌スープ 分離しないコツは以下の3ステップに集約されます。
1つ目は、「具材はだし汁(または水)だけで完全に煮立てて火を通す」こと。2つ目は、「火を極弱火にするか完全に止めてから豆乳を注ぐ」こと。そして3つ目は、「味噌を溶き入れた後は決してグラグラと沸騰させず、湯気が立つ程度(約75℃〜80℃)で火から下ろす」ことです。この順序を守るだけで、分離の失敗は事実上ゼロになります。