渡哲也さんの役者人生は、青山学院大学在学中に日活の第10期ニューフェイスとしてスカウトされたことから始まった。デビュー直後から圧倒的な鋭い眼光とアクションセンスで頭角を現し、瞬く間に日本映画界を牽引するトップスターへと駆け上がった。
その後、尊敬する先輩・石原裕次郎さんが設立した石原プロモーションへと移籍。映画業界の衰退期においても、テレビへと主戦場を移して空前のエンターテインメントを生み出し続けた。しかし、過密な撮影スケジュールと過酷な現場の裏で、渡さんは常に家族の時間を最優先に考えていたという。事務所全体がまるで一つの大きな家族のような温かさを持っていた石原プロの風土もまた、彼の長男の健やかな成長を優しく包み込んでいた。