「日本には高額療養費制度があるから民間保険は不要だ」という言説は、マネー論壇における定番の主張だ。確かに、1ヶ月の医療費自己負担額に上限が設けられる公的仕組みは極めて強力だ。しかし、2026年社会保障・税制改革プロジェクトを巡る議論が示す通り、少子高齢化による財政圧迫から、給付範囲の適正化や自己負担上限の引き上げを懸念する声は絶えない。
さらに見落としてはならないのが、先進医療の技術料、入院中の差額ベッド代、食事代、交通費といった「公的医療保険制度の対象外となる費用」の存在だ。これらは全額自己負担となる。長期療養や特殊な治療を選択せざるを得なくなった際、公的保障だけで全てをカバーできるという前提だけに頼るリスクは年々高まっている。