雨押え板金が機能不全に陥るパターンは、主に「経年劣化による浮き・隙間」と「新築時または前回到装時の施工不良」の2つに大別されます。現場検証で頻繁に見られる代表的な雨漏り原因を整理します。
1. 釘・ビスの浮きとコーキングの劣化
板金を固定している釘やビスは、四季の温度変化に伴う金属の熱伸縮や強風の振動によって、年月とともに徐々に外側へ押し出されます(釘浮き現象)。釘頭の隙間から雨水がじわじわと毛細管現象で吸い上げられるほか、外壁と雨押え板金の取り合い上部に充填されたコーキング材のひび割れ・破断から雨水が壁の内側へと回り込みます。
2. 二次防水である「下葺き材(ルーフィング)立ち上げ」の欠陥
住宅の防水は、表面の屋根材や板金による「一次防水」と、その下にある防水シート(アスファルトルーフィング)による「二次防水」の2段階で守られています。建築基準の標準仕様では、外壁と屋根の取り合いにおいて下葺き材を外壁面へ最低250mm以上立ち上げて施工することが定められています。
しかし、ローコスト住宅やずさんな施工現場では、このルーフィングの立ち上げ寸法が足りていなかったり、透湿防水シートとの重ね代(重なり幅)が逆目になっていたりする事例が後を絶ちません。板金の隙間からわずかに吹き込んだ雨水が、二次防水をすり抜けてそのまま室内の天井や柱へ直撃し、発見時には下地木材が真っ黒に腐食しているケースが多発しています。