巨額の債務を抱えた者たちが収容される帝愛グループの地下強制労働施設。そこで「E班」を束ねる大槻班長は、劣悪な環境下で兵糧攻めのような支配を完璧に遂行してみせる。単に恐怖で抑えつけるのではない。物資の販売や「ペリカ」と呼ばれる地下通貨の融通を通じ、債務者たちにささやかな快楽を与えて牙を抜く。極限状態における人間心理を完璧に掌握したその管理術は、まさに悪魔的カリスマと呼ぶにふさわしい。
過酷な環境であればあるほど、人は小さな贅沢に身を委ねてしまう。ビールや焼き鳥を破格の値段で売りつけ、欲望の沼へと引きずり込む手口は巧妙そのものだ。大槻の真骨頂は、絶望の底にいる人間に「生きている心地」を錯覚させ、抗う気力を奪い去る高度なマインドコントロールにある。