社会的な関心を集めたNHKスペシャル「睡眠負債」の放送以降、日本人の睡眠に対する意識は確実に高まった。現在もNHKオンデマンドで高く視聴されているこのドキュメンタリーが警告した通り、平日の睡眠不足を休日の長寝や毎朝のスヌーズ機能で補おうとする試みは、大半が逆効果に終わっている。
実に9割以上の現代人が「二度寝をすれば睡眠不足が少しでも解消される」と誤解している。だが、一度中断された睡眠サイクルに再び戻ろうとすると、脳は深い睡眠に入ることができず、浅いレム睡眠と非レム睡眠の間を無意味に漂うだけになる。これは蓄積された負債を返済するどころか、自律神経の混乱を招き、疲労感をかえって増幅させる行為に他ならない。