インターネット上には耳の詰まりに関する様々な民間療法が溢れていますが、医学的に重大な過誤を含んでいるものが散見されます。代表的な誤解を是正します。
最大の間違いは「耳閉感は自然治癒するから放っておけば良い」という思い込みです。確かに一時的な気圧変化や軽度の耳垢であれば自然に解消することもあります。しかし、低音障害型難聴やメニエール病の初期段階では、リンパ水腫の増減によって「詰まったり治ったり」を繰り返す特徴があります。自然に治ったように見えても内耳の病態は進行しており、放置を重ねるごとに再発を繰り返し、やがて回復不能な難聴へ固定化する耳閉感が治らない理由の多くがここにあります。
また、自声強調を伴う耳管開放症に対して、耳管を無理やり通そうと激しい耳抜きを繰り返す行為も極めて危険です。開放している耳管へさらに高圧の空気を送り込むと、鼓膜の菲薄化(薄くなること)や中耳炎を誘発します。「自分の呼吸音がゴーゴーと聞こえる」「前屈みになると楽になる」場合は、耳抜きを絶対に避けなければなりません。