「物置に1年間放置していたガソリン発電機が、いざという時に全く動かなかった」——これは災害現場の調査で最も多く報告されるトラブル事例です。
発電機の燃料劣化とメンテナンスに関する最大の誤解は、「ガソリンは密閉タンク内なら何年も持つ」という思い込みです。ガソリンは空気に触れると3ヶ月〜半年程度で酸化が進み、ドロドロとしたタール状のガム質へと変質します。これが燃料通路やキャブレターの微細なノズルを塞ぎ、エンジン不動の主原因となります。
ガソリン式発電機を防災用として保有する場合、以下の維持管理ルーティンが不可欠です。
- 燃料抜き取りの徹底:使用後は燃料コックを閉じた状態でエンストするまでアイドリングさせ、キャブレター内のガソリンを完全に燃やし切る。
- 定期的な試運転:最低でも3ヶ月に1回、10〜15分程度の暖機運転と負荷テストを行う。
- 燃料劣化防止剤の活用:市販の燃料スタビライザーを添加し、携行缶内での酸化速度を遅らせる。
「こうした定期的なメンテナンスを継続する自信がない」という家庭であれば、多少出力単価が高くても、燃料管理が不要なカセットガス式を選ぶべきです。