『ファミリーガイ』が描く日本像には、日本人から見ると「いつの時代のイメージだ」とツッコミを入れたくなるようなステレオタイプが意図的に誇張されて描かれます。
例えば、全員がメガネをかけてカメラを首から下げている古い観光客描写、満員電車に無理やり人を押し込む駅員、ハイテクすぎる多機能温水洗浄便座に翻弄される白人たち、さらには極端に礼儀正しい一方で過労死寸前まで働くビジネスマンなど、欧米人が抱く固定観念をあえてこれ見よがしに増幅させています。
時に「差別的・過激すぎる」としてネット上で物議を醸すこともありますが、制作総指揮のセス・マクファーレン(Seth MacFarlane)が率いるライター陣のスタンスは一貫しています。彼らの風刺スタイルは「特定の国や人種を攻撃する」のではなく、「アメリカ人自身の無知や偏見、白人至上主義的な無神経さ」を鏡のように映し出して笑い飛ばすという構造です。あえて酷い偏見をピーターたちに言わせることで、無知なアメリカ庶民の滑稽さを浮き彫りにする高度なアイロニーが仕掛けられています。