「おせち通販=ひどい・危険」という強い警戒感が日本社会に根付くきっかけとなったのが、2011年元日に発生した「バードカフェおせち事件」です。共同購入クーポンサイトで格安販売されたおせちが、見本写真とは似ても似つかない残飯のような状態で届けられ、配送遅延や食材の傷みも重なって社会問題へと発展しました。
この事件では、店側のキャパシティを大幅に超える注文を受けたこと、衛生管理が不十分な環境で急ごしらえの盛り付けが行われたことが露呈しました。結果として運営企業は厳重な行政指導を受け、ネット通販全体に対する消費者の信頼は大きく失墜しました。
しかし、この未曾有のトラブルは業界に決定的な構造改革をもたらしました。消費者庁による景品表示法の運用強化、盛り付け済み重箱の急速冷凍技術の導入、そして第三者機関による衛生検査の義務付けなど、現在ではおせち通販の安全性を担保する厳格なガイドラインが定着しています。今や一定以上の販売実績を持つ有名店において、当時のような極端な粗悪品に遭遇する確率は極めて低くなっています。