お尻の深部にある仙骨と大腿骨大転子を結ぶ梨状筋は、股関節の外旋(太ももを外側にひねる動作)を担う重要な筋肉です。この梨状筋のすぐ下(あるいは筋腹の間)を坐骨神経が通過しているため、筋肉の過緊張や肥厚、拘縮が起きると神経が物理的に圧迫・牽引され、いわゆる梨状筋症候群を発症します。
フライバーグテストの基本的な手順は、解剖学的知見に基づき以下のように行われます。
【検査の基本手順】
1. 対象者はリラックスした状態でベッドに仰向け(背臥位)になります。
2. 検者は対象者の膝を伸ばした状態(股関節伸展位)、あるいは軽く伸ばした肢位を保ちます。
3. 検者が下肢を把持し、太ももから下を内側へ強制的にひねる股関節の内旋運動を他動的に加えます。
4. 股関節を内旋させた際、梨状筋が最大限に伸張されます。
この動作時に、お尻の深部に鋭い痛みが生じたり、太もも裏からふくらはぎにかけて電気が走るような放散痛・しびれが再現された場合を「フライバーグテスト陽性」と判定します。この陽性反応は、梨状筋の伸張によって坐骨神経が強い圧迫または絞扼(締め付け)を受けている客観的な証拠となります。