一連のガーシーと綾野剛をめぐる騒動の真相を振り返ると、発端は2022年2月に開設されたYouTubeチャンネル「東谷義和のガーシーchannel」でした。長年、芸能人のアテンドや飲食の場をセッティングしていた東谷氏は、自身が抱えた巨額の詐欺疑惑や借金問題を契機に、かつて親交のあった著名人たちの私生活を次々と暴露し始めました。
その中でも執拗なターゲットとなったのが綾野剛氏でした。配信では、過去の女性関係や酒席における激しい言動、さらには2022年5月には当時17歳だったとされる元NMB48の女性を実名・顔出しで生配信に出演させ、「未成年淫行疑惑」を主張するなど、ショッキングな暴露内容が連日ネット上を駆け巡りました。東谷氏は「事実上の口止め工作があった」とまで言及し、ネット世論を過熱させたのです。
しかし、この暴露劇は単なる芸能ゴシップの域を遥かに逸脱していました。東谷氏の矛先は綾野氏本人だけでなく、彼を起用するスポンサー企業やドラマ制作関係者、所属事務所にまで向けられ、「配信を取り下げてほしければ連絡してこい」といった威迫的なメッセージが執拗に発信され続けたのです。
綾野剛側が刑事告訴に至った理由は明白でした。法廷で朗読された綾野氏の供述調書には、次のような生々しい苦痛が記録されています。
「精神が崩壊した」「彼の存在自体が恐怖だった」
当時、綾野氏の広告出演料(CMギャランティ)は1本あたり推定5,000万円前後と業界内で報じられており、降板や契約解除が連鎖すれば数億円規模の違約金が発生しかねない極限状態でした。経済的実害と人格権の蹂躙という二重の危機に直面したことが、警察への告訴という決断を決定づけました。