世間が目にする歌舞伎役者の姿は、テレビで華やかに活躍する名門「御曹司」たちのごく一部の姿に過ぎません。松竹の興行を支えている舞台裏には、何十人もの大部屋役者やお弟子さんたちが存在します。
自著やドキュメンタリー番組の特集で語られた元大部屋役者の証言によると、歌舞伎役者 弟子 給料は固定給ではなく、公演に出演して初めて「日当数千円〜1万円程度」が支給される歩合制です。1ヶ月の興行で舞台に出て、諸経費を引かれた後の手取りが10万円台前半になることも珍しくありません。
特に一般家庭から日本芸術文化振興会の養成所を経て歌舞伎界に入った門閥外の若手は、親から受け継ぐ後援会やタニマチを持たないため、祝儀収入を期待することができません。師匠の身の回りの世話や楽屋での雑務、衣装の管理などを朝から晩までこなし、舞台では通行人や捕手といったセリフのない端役を勤めます。
化粧品代や稽古着代を自腹で工面しつつ、出番のない月は深夜の配送業や飲食店のアルバイトで食いつなぐ若手も少なくありません。華やかな伝統芸能のピラミッドの底辺には、こうした無名の役者たちの無償に近い献身と情熱が横たわっています。