「朝起きると手がパンパンに張った感覚があり、お弁当の卵焼きを作るのにフライパンが握れなかった」「包丁を握るだけで親指の付け根が痛む」――女性専門外来の問診票や当事者コミュニティには、切実な告白が数多く寄せられています。厚生労働省や日本女性医学会の調査データでも、更年期世代の日本人女性のうち約4割以上が関節痛や手指のこわばりを自覚していると報告されています。
特徴的なのは、痛みが特定の1箇所にとどまらず、手指の第1関節・第2関節、手首、肩、膝、股関節へと日によって移動したり、両側に同時に現れたりする点です。これまで「更年期障害といえばホットフラッシュやイライラ」というイメージが先行してきたため、関節の痛みを更年期症状と結びつけられず、整形外科を何軒も渡り歩く「ドクターショッピング」に陥るケースも少なくありません。
現場の医師への取材によると、特に朝の起床時に症状が最も重く、日中体を動かしているうちに少しずつ和らぐというパターンが更年期手指のこわばりの典型的な現れ方です。家事やデスクワークを無理にこなそうとする真面目な人ほど、我慢を重ねて症状を悪化させてしまう傾向が見られます。