お札の入れ方を完璧に整えても、外装の筆記用具や持参方法を誤ると台無しになってしまいます。当日に受付でスマートに振る舞うための重要ポイントを確認しましょう。
1. 筆記具の鉄則:濃い黒の筆ペンを使用(薄墨・ボールペンは厳禁)
ご祝儀袋の表書き(名目・氏名)や中袋の記入には、必ず「濃い黒の毛筆または筆ペン」を使用します。サインペンやボールペン、万年筆での記入は略式とみなされ、お祝いの場にはふさわしくありません。
特に注意すべきは「薄墨(うすずみ)」の誤用です。薄墨の筆ペンは、「悲しみの涙で墨が薄まった」「急な訃報で十分に墨をすることができなかった」という哀悼の意を表す弔事専用の道具です。結婚祝いに薄墨を使用することは重大なマナー違反となるため、必ず漆黒の濃い墨を選んでください。
2. 水引の種類:「結び切り」と「あわじ結び」の意味
結婚祝いに用いるご祝儀袋の水引は、一度結んだら簡単にはほどけない「結び切り」または「あわじ結び(鮑結び)」を選びます。これには「生涯に一度きりであってほしい」「固く結ばれて離れない」という願いが込められています。
何度も結び直すことができる「蝶結び(花結び)」は、出産祝いや昇進祝いなど「何度あっても喜ばしいお祝い事」に用いるものであり、結婚式で使用すると「再婚を連想させる」ため完全なタブーです。袋を購入する際は、水引の形状を必ず確認してください。
3. ふくさ(袱紗)の正しい包み方と渡し方
ご祝儀袋をバッグやスーツの内ポケットからそのまま取り出す行為は、袋の角が折れたり汚れたりする原因となり、礼儀を欠いた印象を与えます。必ず「ふくさ」に包んで持参するのが大人のマナーです。
- 包み方(慶事):ふくさを菱形に広げ、中央よりやや左寄りにご祝儀袋を置きます。左→上→下の順に折り、最後に右側をかぶせて余った端を裏へ折り込みます(右開きにする)。
- 渡し方:受付の直前でふくさからご祝儀袋を取り出し、たたんだふくさの上に袋を乗せます。相手から見て正面(名前が読める向き)になるよう時計回りに反転させ、「本日はおめでとうございます」と一礼を添えて両手で差し出します。