時計の針を12年前に戻そう。2014年1月18日、全国の試験会場で一斉に行われた大学入試センター試験の本試験。その国語の第2問(小説)を開いた受験生たちは、目の前の活字に我が目を疑った。出題されたのは朱川湊人の短編小説『スピン』。描かれていたのは、バスジャック事件という緊迫した状況下で、なぜか「スピン(独楽のように回転する動作)」に異常な執着を見せる登場人物たちの奇妙なやり取りだった。緊迫感とシュールさが同居する世界観に、多くの受験生がペースを乱され、試験終了後のネット上は阿鼻叫喚の図となった。
共通テスト前夜に蘇る「トラウマ」の正体。なぜ受験生は今もあの奇妙な物語に引き寄せられるのか