憲法において公共の福祉がどのように位置づけられているかを確認すると、中心となるのは憲法12条と憲法13条の条文です。
憲法12条では「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と明記されています。ここで重要なのは、権利には「濫用の禁止」という自己責任が伴うという点です。
さらに憲法13条は、すべての国民が個人として尊重されること(個人の尊重)を宣言した上で、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定しています。
この2つの条文が示す決定的な事実は、人権が制限される根拠は「お上の都合」ではなく、「他者の生命や自由、幸福追求権を侵害しないため」という一点に尽きるということです。最高裁判所の法廷でも長年繰り返されてきた通り、基本的人権は最大限尊重されるべきですが、無制限のワガママ(権利の濫用)まで認めると、他者の人権が破壊されてしまうため、制限が不可欠となります。