かつての不倫報道直後、舞台関係者の間では「劇団新派の興行にも甚大な打撃を与えかねない」と深刻な危機感が漂っていました。特に夫側が相手女性に対し「独り身になるつもりでいた」などと語ったとされる報道は、妻である貴城けいの立場を完全に踏みにじるものでした。当時の現場を目撃していた舞台制作会社関係者は、重い口を開いてこう振り返ります。
「報道直後の貴城さんの落ち込みようは、側で見ている人間が言葉を失うほどでした。過呼吸で救急搬送され、一時は点滴を受けながら寝たきりに近い状態だったと聞いています。元宝塚のトップスターとして常に誇り高く生きてきた彼女にとって、公衆の面前でプライドを傷つけられた苦しみは想像を絶するものだったはずです」
しかし、そこからの貴城けいの身の処し方は、宝塚OGたちをも感嘆させるものでした。夫を公の場で感情的に攻撃することは一切せず、自らの心身の回復を最優先させました。SNSやファンクラブイベントで接した宝塚ファンからも「けいさんの凛とした姿に涙が出た」「誰かを責め立てるのではなく、舞台人としての誇りを保ち続ける姿に改めて惚れ直した」といった声が相次ぎました。
一方の喜多村緑郎も、騒動直後は出演予定だった舞台の降板を余儀なくされ、表舞台から姿を消しました。その後、小劇場公演や自主的な朗読劇、劇団新派の本公演など、地道に演劇の現場へ復帰を果たしています。劇場の楽屋口で見せる喜多村の姿はかつての派手さが影を潜め、裏方や共演者に対して深々と頭を下げる姿が頻繁に目撃されるようになりました。「芸で償うしかない」という覚悟を行動で示し続けていることが、かろうじて演劇界に居場所を残せている要因と言えます。