映画界が生み出した視覚的魔法は、やがて出版メディアへと波及していく。その中心的な役割を果たしたのが、米国の老舗出版社コンデナスト社である。同社は女性たちの憧れや美意識を巧みに刺激し、洗練されたライフスタイルとファッションを視覚化する一大メディア帝国を築き上げた。
その象徴として創刊されたのがGLAMOUR誌だ。創刊当初から「ハリウッドの魅惑を働く女性の日常へ」というコンセプトを掲げ、映画スターの装いを大衆が日常で手に入れられる現実的なスタイルへと翻訳してみせた。ハイブランドのドレスや完璧なメイクアップを提示することで、読者に「手に入るかもしれない幻想」を抱かせる。雑誌メディアは、グラマーという概念を特権階級のものから消費文化の核へと変貌させたのだ。