海田市駅の連続立体交差で激変する街、再開発と地価の真相を追うにまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

駅周辺を歩けば、至る所で巨大な橋脚の基礎工事が進んでいるのが目に入る。広島県と西日本旅客鉄道(JR西日本)が主体となって進める「広島東部地区連続立体交差事業」だ。山陽本線と呉線が合流・分岐する海田市駅は、広島都市圏東部の要衝でありながら、線路が町を南北に分断し、長年にわたり深刻な交通渋滞と地域コミュニティの寸断を引き起こしてきた。

特にピーク時の遮断時間が長い「開かずの踏切」は、救急車両の通行や朝のバス運行に大きな影を落としてきた。湯﨑英彦広島県知事も県議会などで幾度となく重要インフラとしての位置付けを強調してきたこの大プロジェクト。線路を高架化して複数の踏切を一挙に撤去する計画は、単なる鉄道工事の域を超え、地域全体の動脈を根本から作り替える大手術に他ならない。

高架化の完了によって南北の往来がフラットにつながれば、駅周辺の回遊性は劇的に向上する。すでに仮線路の敷設や駅舎改築に向けた準備が着々と進んでおり、かつて宿場町として人々を迎えた平坦な街並みが、立体的かつ現代的な都市空間へと生まれ変わる助走期間に入っている。