長年、日本の家庭におけるペットの主役は犬だった。朝夕の散歩道での挨拶やドッグランの賑わいは、日本の風物詩ともいえる光景だった。しかし、その構図は今や過去のものになりつつある。一般社団法人ペットフード協会が実施する「全国犬猫飼育実態調査」の最新データを見ると、猫の飼育数が犬を逆転して以降、その差は開く一方だ。
かつて農林水産省などが関与する狂犬病予防注射の登録数ベースでは犬の存在感が目立っていたが、完全室内飼育が定着した現代の猫は実態把握が難しい側面があった。それでも同協会のサンプル調査が提示する推計値は、日本の住環境における決定的な地殻変動を物語っている。都市化と高層マンションの増加が、この逆転劇を決定づけた。