映画のハイライトとなる唯野高校の学園祭シーン。観客席を埋め尽くしたエキストラは数千人に達した。そこで繰り広げられた約10分間の水中パフォーマンスは、まさに日本映画史に残る奇跡の瞬間だった。
学ランを脱ぎ捨て、海パン一丁でプールに飛び込む男子高校生たち。カルチャークラブの軽快なリズムに乗せて、次々と繰り出されるフォーメーションやダイナミックな櫓(やぐら)のジャンプ。失敗すれば大怪我につながる大技の数々を、彼らはノー吹き替えの一発勝負で見事に成功させた。
プールサイドを埋めた観客たちの歓声と拍手は、演技指導によるものではない。目の前で繰り広げられる本物の挑戦に心を揺さぶられた、素直な熱狂だった。フィクションとノンフィクションの境界線が完全に消え去ったあの瞬間、日本映画は新たなカタルシスの頂点に達したのだ。