黒毛だけじゃない!和牛4大品種の真実と失敗しないブランド牛選びに関する主要なデータを詳しく解説いたします。

高級店のメニューで誇らしげに輝く「A5」の文字。多くの消費者がこれを「味の最高ランク」だと信じ込んでいるが、そこには大きな認識のズレが存在する。格付けを行っているのは公益社団法人日本食肉格付協会であり、この評価システムは本来、牛枝肉の取引を公正に行うための商業規格なのだ。

アルファベットの「A・B・C」は歩留等級と呼ばれ、一頭の牛からどれだけ効率よく精肉が取れるかを示す指標に過ぎず、味の良し悪しとは直接関係がない。数字の「1〜5」は肉質等級で、脂肪交雑(BMS)、肉の光沢、締まりとキメ、脂肪の色沢と質という4項目で決まる。つまり、極めて脂が乗りやすい体質に育てられた肉がA5を獲得するのであって、赤身の芳醇な旨味や熟成香、肉汁のジューシーさといった官能的な美味しさは点数化されていない。

過度な脂の重たさを敬遠する大人の舌には、脂と赤身のバランスが取れたA4やB4、あるいはあえて等級にとらわれない褐毛和種や短角種のほうが、はるかに感動的な食体験をもたらすケースは珍しくない。