黒糖を口に含んだ瞬間の濃厚な甘みは、体内で素早く分解され、血液中へと一気に流れ込む。ここで引き起こされるのが「血糖値スパイク」と呼ばれる急激な血糖値の上昇と下降だ。
未精製だからといって、黒糖のGI値(食後血糖値の上昇度を示す指標)が極端に低いわけではない。実際には上白糖とほぼ同等か、わずかに低い程度にとどまる。急激に跳ね上がった血糖値を下げるため、膵臓からは大量のインスリンが分泌され、血管の内壁を痛めつけるとともに、長期的には糖尿病の発症リスクを着実に押し上げる。
世界保健機関(WHO)が推奨する「遊離糖類(加工用砂糖や蜂蜜、黒糖など)の摂取量を総エネルギーの5パーセント未満に抑える」という厳格なガイドラインに照らせば、黒糖だから免責されるという特例はどこにもない。むしろ「体に良い」という思い込みが油断を生み、無意識の過剰摂取を招く引き金になっている。