セルフケアの限界を見誤り、無理にほじくり出した結果として生じる代表的な疾患が「臍炎(さいえん)」である。おへその傷口から黄色ブドウ球菌や大腸菌などが侵入して化膿し、激しい痛みを伴う。
以下のような症状が1つでも認められる場合は、セルフケアを直ちに中止し、医療機関を受診する必要がある。
- おへその中や周辺が赤く腫れ上がり、触れるとズキズキと痛む
- おへそから黄色や白濁した「膿(うみ)」や浸出液が出続けている
- 洗浄しても取れない強烈な悪臭が持続している
- おへそからの出血が止まらない
- 37.5℃以上の発熱や下腹部全体の強い鈍痛を伴っている
受診すべき診療科は、成人の場合は「皮膚科」または「形成外科」が基本となる。腹部全体の強い痛みや発熱を伴う場合、胎児期の管が閉塞せずに残る「尿膜管遺残症(にょうまくかんいざんしょう)」から臍炎を併発している疑いもあるため、「消化器外科」や「一般外科」の受診が推奨される。乳幼児の場合は「小児科」への相談が適切である。
皮膚科での処置は、専用の医療用ピンセットやオリーブ油軟膏を用いた無痛洗浄が行われ、感染が確認された場合は抗生物質の外用薬や内服薬が処方される。初診料を含め保険適用で数千円程度で安全に治療が完了するため、無理な自己処置で重症化させる前に専門医へ委ねるのが賢明である。