『ヘタリア』をめぐる一連の騒動をひもとく上で欠かせないのが、アニメ放映直前に起きた韓国での激しい反対運動と、それに伴う放送中止の決定だ。事の発端は、原作WEBマンガに登場する一部キャラクターの造形や言動に対し、「自国の尊厳を傷つけている」との批判が韓国のネットコミュニティで噴出したことだった。抗議の声は瞬く間に拡散し、現地メディアや国会でも取り上げられるほどの社会現象へと発展していく。
当時、CS局のキッズステーションでTVアニメ『ヘタリア Axis Powers』の放映が予定されていた。しかし、局への過激な抗議や安全面への懸念から、放送中止という異例の判断が下される。一方で作者の日丸屋秀和氏の意図は、特定の国や民族を侮辱することではなく、歴史的なエピソードや国風のステレオタイプを軽妙なユーモアとして再解釈することにあった。ネット上では「作品の意図を汲まない過剰反応だ」と擁護するファンと、「国際的な配慮が不足していた」と指摘する批判派との間で、連日にわたり激しい議論が交わされた。