インターネット上の旅行コラムやSNSには、医学的根拠を欠いた危険なアドバイスが散見されます。トラブルを未然に防ぐためにも、広く信じられている誤解を是正しておく必要があります。
- 誤解1:「寝ていれば痛みに気づかずやり過ごせる」は大間違い:睡眠中は嚥下回数が起きているときの約5分の1に激減します。気圧変化に無防備なまま着陸態勢に入ると、目覚めた瞬間にすでに耳管が固くロックされ、最悪の激痛に襲われます。降下開始の40〜50分前には必ず起床しておく必要があります。
- 誤解2:「どんな耳栓でもつければ効果は同じ」という思い込み:一般的な防音用ウレタン耳栓は音を遮断するだけで、気圧変化の速度をコントロールする通気フィルターがありません。かえって耳内部に密閉空間を作り、痛みを悪化させるケースすらあります。必ず「気圧調整用」と明記された専用プラグを使用してください。
- 誤解3:「息を思い切り強く吹き込めば耳は抜ける」という危険な風潮:鼻を強く塞いで限界まで圧をかけると、中耳腔の圧が急上昇し、正円窓や卵円窓といった内耳の膜が破れる「外リンパ瘻(ろう)」を引き起こす危険があります。激しい回転性めまいや不可逆的な難聴の原因となるため、強引な耳抜きは絶対に避けてください。