厚切り豚バラを固くせず絶品に仕上げる秘密は、肉の筋線維の物理的破壊と保水性の向上にあります。厚さ1.5cm〜2cmほどの豚バラブロックや厚切り肉は、赤身と脂身が何層にも重なっているため、加熱時に収縮率の差によって肉が反り返り、水分が搾り出されてパサつきの原因となります。
まず実践したいのが、豚バラブロックの切り方と筋処理です。ブロックから厚切りに切り分ける際は、肉の繊維方向に対して垂直に包丁を入れます。さらに、赤身と脂身の境目にある筋膜に2〜3cm間隔で浅く切り込みを入れ、表面全体に深さ2mm程度の細かい格子状の「隠し包丁」を施します。これだけで加熱時の縮みを防ぎ、タレの染み込みが倍増します。
さらに、豚バラ厚切りを柔らかくする方法として科学的に極めて効果的なのが「ブライン液(塩分濃度5%+砂糖5%の水溶液)」への浸漬です。水100mlに対し塩5g、砂糖5gを溶かした液に肉を30分漬け込むだけで、筋線維のタンパク質がほぐれ、加熱しても肉汁が流出しない保水バリアが形成されます。手軽に済ませたい場合は、酒大さじ1と砂糖小さじ1/2をもみ込んで10分置くだけでも、驚くほどの保水効果を発揮します。