喉の魚の骨はご飯丸呑み厳禁!放置の危険性と正しい受診判断基準の特集記事をご紹介します。最新トレンドがチェックできます。

喉に骨が刺さった直後、「放っておけば唾液で自然に取れるのではないか」と経過観察を選択する人は少なくありません。実際のところ、イワシやシラス、サンマなどの微細な小骨であれば、嚥下時の摩擦や粘膜の自然なターンオーバーによって数時間から1日程度で自然脱落することはあります。

しかし、問題は「チクチクとした痛みが消えない時、そこに何が起きているか」です。患者が感じる喉のチクチクとした違和感には、大きく分けて2つのパターンが存在します。

  1. すでに骨は脱落しているが、粘膜についた傷(擦過傷)が痛んでいるケース
  2. 骨が現在進行形で粘膜に深く突き刺さったまま留まっているケース

人間は喉の感覚に対して非常に敏感であり、米粒半分ほどの微小な傷であっても「まだ骨が刺さっている」と錯覚します。この判別を自己判断で行うことは不可能です。

万が一、本物の骨が残存していた場合、魚の骨を喉に放置する危険性は想像を絶します。口腔内および咽頭部には数百種もの常在菌が存在します。刺さった骨が細菌の侵入経路(感染門戸)となり、数日から1週間ほど経過すると組織内で菌が増殖し、「咽後膿瘍(いんごのうよう)」や「扁桃周囲膿瘍」といった重篤な化膿性疾患へ発展します。

さらに炎症が首の筋肉の隙間(頸部筋膜間隙)を伝って胸部へ下降すると、死亡率が極めて高い「急性縦隔炎(じゅうかくえん)」を引き起こし、胸骨を切開して膿を排出する大掛かりな緊急開胸手術を余儀なくされる事例も臨床報告されています。