現在では世界的ゲーム企業として知られる任天堂ですが、その創業は1889年(明治22年)、京都で花札の製造・販売を手掛ける個人商店としてスタートしました。「大統領」や「天狗」「都の花」といった伝統的な銘柄は、今なお職人の技法を交えながら製造が続けられています。
任天堂をはじめとする花札メーカーが、明治の文字統一以降も短冊の文字を現代の「か」に改変せず、あえて変体仮名の「あかよろし」のまま残し続けたことには大きな意義があります。江戸時代から続く札の意匠や美術的な風格、遊郭やお座敷文化の中で洗練されてきた様式美を後世に伝えるためです。
デジタル化が進んだ現在でも、画面の中に表示される赤短には伝統的な変体仮名がそのまま描かれており、100年以上前の粋なデザインが現代のゲーマーにも受け継がれています。