インフルエンザにかかったことがない人の特徴とは?無症状と遺伝の謎に関する詳細情報を丁寧にまとめました。専門的な情報をチェックしましょう。

「熱が出ないだけ」のケースがある一方で、そもそもウイルスを細胞内へ侵入させない、あるいは侵入直後に撃退してしまう自然免疫の体質を持つ人が存在することも事実です。ここでは遺伝や生体防御の観点から分かってきた最新知見を整理します。

第一に注目されているのが、抗ウイルス遺伝子(IFITM3など)の多型です。ウイルスの細胞膜融合を阻害するタンパク質の働きが活発な遺伝子型を持つ人は、ウイルスが細胞内で増殖しにくく、重症化はおろか発症すら抑え込まれやすい傾向が報告されています。

第二に、血液型と感染感受性の関係についても国内外の研究機関で議論が続けられてきました。一部のウイルスでは、血液型抗原(糖鎖構造)がウイルスの結合受容体として機能したり、逆に結合を阻害したりすることが知られています。インフルエンザにおいても「特定の糖鎖構造を持つ人が特定のウイルス株に感染しにくい」という相関データが示唆されていますが、絶対的な防御壁になるわけではなく、あくまで「相対的なリスクの差」に留まります。

第三に、鼻腔や喉の粘膜に分泌される分泌型IgA抗体や粘液(ムチン層)のバリア機能です。この局所免疫が強固な人は、ウイルスが深部の細胞に到達する前に物理的・化学的に絡め取って体外へ排出する能力に長けています。