通話録音をめぐっては、インターネット上で多くの誤解や都市伝説が飛び交っています。法的な観点とシステム仕様の両面から、正確な事実を整理しておきましょう。
1つ目の誤解は、「相手に無断で通話を録音することは違法(犯罪)である」という言説です。日本の現行法務判断において、通話の当事者双方が交わす会話を一方の当事者が無断で録音する「秘密録音」自体は、直ちに刑法上の犯罪を構成するものではありません。民事裁判においても、著しく反社会的な手段で採取されたものでない限り、証拠能力が広く認められる傾向にあります。Appleがアナウンスを強制するのは、米国の多くの州や欧州で採用されている「双方の同意(Two-Party Consent)法」に準拠したグローバル設計によるものであり、日本国内の法律で無断録音が一律禁止されているからではありません。
2つ目の誤解は、「マイクのアクセス権限をリセットすればボイスメモで相手の声も録音できるようになる」という噂です。設定アプリからプライバシーとセキュリティ内のマイク許可をいくら変更しても、OS内部のオーディオルーティング制限は解除されません。脱獄(Jailbreak)などの危険な非公式改造を行わない限り、純正ボイスメモアプリで相手の声を取り込むことはシステム構造上不可能です。