日本国内の祈祷室インフラは数値上増加していますが、実際の利用者は現場をどのように評価しているのでしょうか。都内のIT企業に勤務するインドネシア人システムエンジニア(30代男性)は、自著の手記やインタビュー取材で次のように胸中を語っています。
「来日した当初の2010年代は、駅の非常階段の踊り場や公園の木陰を探して、誰にも見つからないよう隠れるように礼拝マットを広げていました。通行人に不審者と間違えられて警察に通報された苦い経験もあります。いまは空港だけでなく、渋谷や新宿の商業施設、オフィスビルにも静かで清潔なプレイヤールームが増え、肩身の狭い思いをせずに祈りを捧げられるようになりました。日本の温水洗浄便座や清潔な足洗い場は、世界一快適な祈りの環境だと仲間内でも絶賛されています」
一方で、SNSや在日コミュニティの掲示板では、地方都市や観光地での切実な課題も浮き彫りになっています。主要駅の祈祷室が「利用申請から解錠までにインフォメーションで15分待たされた」「施錠されたまま連絡先が書かれておらず使えなかった」という運用面でのボトルネックや、地方の温泉街などで礼拝スペースが皆無であるため、駐車場の車内や試着室の隅で窮屈に祈らざるを得ないケースが散見されます。