MLB公式データ解析システム「Statcast」や各種トラッキングデータを見渡しても、アーロン・ジャッジが叩き出す指標は異次元です。ジャッジの打率・本塁打数・OPSが高水準で維持され続ける最大の要因は、圧倒的な「打球速度(Exit Velocity)」と「バレル率(Barrel%)」にあります。
一般的なスラッガーであれば、本塁打を量産しようとするとスイングが大振りになり、三振率の上昇と打率の低下を招きます。しかしジャッジは、201cm・128kgという恵まれた体躯を持ちながら、極限まで無駄を削ぎ落としたコンパクトなスイング軌道を確立しました。現地取材において、ヤンキースの打撃コーチ陣が「彼のスイングは巨漢スラッガーのそれではなく、まるで巧打者のような最短距離でボールの芯を捉える」と証言するように、センターから逆方向へ軽々とフェンス越えを果たす技術が定着しています。
アーロン・ジャッジの現在の打撃アプローチは、ボールゾーンの見極め(チェイスレートの低さ)と、甘い球を逃さないハードヒット率(50%〜60%超)が完璧に融合しています。結果として四球による高出塁率が担保され、打率3割前後をキープしながら年間50本前後の本塁打を量産。セイバーメトリクスの総合打撃指標であるwRC+(打席あたりの得点創出力)は200前後を記録しており、これは「リーグ平均の打者より2倍の得点を生み出している」ことを意味します。