20世紀初頭、パーシー・フォーセットをはじめとする数々の探検家が「失われた都市Z」を求めて緑の迷宮へと消えていきました。かつて西洋の学界では、「アマゾンは土壌が貧弱であり、狩猟採集民の小集団しか養えない手付かずの原生林だった」とする環境決定論が定説とされていました。しかし、近年この定説は劇的に覆されています。
航空機やドローンからレーザーパルスを照射して地表の立体形状を暴くLiDAR観測により、樹海の下に隠されていたアマゾン奥地文明の痕跡と経緯が鮮明に浮かび上がったのです。エクアドル東部のウパノ渓谷などでは、紀元前500年頃から西暦600年頃にかけて繁栄した、道路網で結ばれた6,000個以上の土盛り基壇や農耕システムが確認されました。
さらに、アマゾン各地に点在する「テラ・プレータ(黒い土)」と呼ばれる人為的に作られた極めて肥沃な土壌の存在は、先住民族が森林を単に利用していただけでなく、意図的に土壌を改良し、アグロフォレストリー(森林農業)によって数百万規模の人口を支えていた証拠とされています。
未開のジャングル探検の真相とは、「人間を寄せ付けない手付かずの原生林」ではなく、「かつて高度な文明が自然と高度に共生し、その崩壊後に植物が再び覆い尽くした歴史の層」であったというパラダイムシフトです。現地踏査を行った研究者の手記には、「足元に転がる土器の破片を踏みしめながら、自分たちが踏破しているのは大自然ではなく、巨大な古代都市の廃墟そのものなのだと戦慄した」という生々しい独白が記されています。