ジャニーズの歴史を語る上で避けて通れないのが、トップグループの「解散」「活動休止」「メンバーの脱退・独立」です。これらは単なるタレントの気まぐれではなく、巨大芸能事務所特有の構造とタレント自身の人生観との衝突から生じた必然的な帰結でした。
【SMAP解散(2016年)に見るマネジメントの亀裂】
2016年12月31日をもって28年間の歴史に幕を閉じたSMAPの解散劇は、芸能界における「同族経営体制」と「外部委託的敏腕チーフマネージャー」のパワーバランスの崩壊が引き金となりました。当時の特番インタビューやメンバーの手記で断片的に語られた「信頼関係の修復不能」という告白は、長年苦楽を共にしたグループであっても、マネジメントの歪みと心理的安全性の欠如によって一瞬で瓦解し得ることを証明しました。自立を望むメンバーと組織の論理が決定的な対立を生んだ象徴的事例です。
【嵐の活動休止(2020年〜現在)と大人の自立】
対照的に、極めて円満かつ周到な準備を経て行われたのが嵐の活動休止です。リーダーの大野智が2017年に申し出た「一度何ものにも縛られず、自由な生活をしてみたい」という思いに対し、他の4人は大野を責めることなく、「5人でなければ嵐ではない」という結論を出しました。約2年間の猶予期間を設けてファンへの感謝を伝え切ったプロセスの背景には、健全な心理的バウンダリー(自他の境界線)の尊重がありました。2024年4月にメンバー5人で「株式会社嵐」を共同設立したことからも、グループという運命共同体を守りながら個人の尊厳を両立させる、成熟した関係性が見て取れます。
【King & Princeの分裂とTOBEへの合流】
2023年5月、絶頂期にあったKing & Princeから平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太の3名が脱退・退所し、永瀬廉と髙橋海人の2人体制となった出来事は、ファンコミュニティを震撼させました。脱退した3名は滝沢秀明が立ち上げた新会社「TOBE」へと合流し、「Number_i」を結成。世界基準の楽曲制作とデジタルプロモーションで即座に大成功を収めました。一方で、残留した永瀬と髙橋もドラマ・映画・ツアー等でグループの看板を守り抜いています。この分裂の根底には、「海外進出に対するスピード感の乖離」と「事務所の変革の遅れ」があったと複数の業界関係者が証言しています。