芝浦のホルモン焼きを語る上で欠かせないのが、定番にして至高の部位である牛小腸のマルチョウと大腸のシマチョウだ。粗悪な肉にありがちな「いつまでも噛み切れない」ストレスは、ここでは皆無である。
開かずに管状のまま脂を閉じ込めたマルチョウは、網の上で転がしながら表面をキツネ色に育てていく。弾ける皮目から溢れ出す脂の甘みはクリーミーですらあり、自家製の醤油ダレと溶け合って恍惚の境地へと誘う。一方、美しいシマ模様が特徴のシマチョウは、脂のコクと皮のシコシコとした歯ごたえのコントラストが見事だ。炭火の強火で皮目を7割、脂目を3割の絶妙な火加減で焼き上げるのが、通の愉しみ方とされる。上質な脂はもたれることがなく、スッキリとした後味を残す。