ネット上でしばしば見られる「素揚げは油をケチって超低温で揚げれば油ハネしない」という言説には重大な誤解が含まれています。
140℃以下の極端な低温でダラダラと長時間揚げ続けると、皮の水分が抜ける前に肉の水分がじわじわと染み出し、結果として油っぽくベチャついた仕上がりになります。油ハネを恐れるあまり温度を下げすぎるのではなく、「事前の水分除去を徹底した上で、160℃の定温で皮目を動かさずに揚げる」ことこそが科学的に正しいアプローチです。
また、「素揚げは味が淡白で物足りないのでは?」という先入観も誤りです。衣の味でごまかせない分、鶏肉本来が持つイノシン酸(旨味成分)と鶏油のコクがダイレクトに舌へ届きます。さらに、揚げたての熱い状態に「粗挽き黒こしょう」「山椒」「レモン果汁」「柚子胡椒」を合わせることで、衣付きのから揚げでは味わえない洗練されたキレのある旨味を堪能できます。