「それはあなたが決めることです」「承知しました」。一切の感情を排し、ロボットのように呟かれるこれらの台詞は、当時の流行語となり日本中の日常会話に浸透した。『家政婦のミタ』が生み出した名言の数々は、単なるキャッチフレーズの域を超え、作品のテーマそのものを象徴している。
松嶋菜々子は撮影中、まばたきの回数を最小限に抑え、声のトーンや高低差を徹底的に削ぎ落とす過酷な役作りに挑んだ。ロボットのように振る舞いながらも、ふとした立ち姿や背中で深い孤独を表現する技術は圧巻の一言だった。脚本を手掛けた遊川和彦の緻密な台詞回しと、松嶋の表現力が奇跡的な化学反応を起こしたからこそ、語り継がれる名言が生まれたのだ。