佐々木主浩の第二の人生を語る上で欠かせないのが、日本中央競馬会(JRA)を中心とする馬主事業である。「ヴィルシーナ」や「シュヴァルグラン」、「ヴィブロス」といった数々のGI馬を所有し、国内外のビッグレースを制覇してきた佐々木の大躍進。その舞台裏には、常に榎本の献身的なサポートがあった。
競馬界という伝統と格式が重んじられる特殊な世界において、馬主の妻としての立ち振る舞いは極めて重要だ。榎本は競馬場での社交や関係者への気配りを完璧にこなし、時には馬のコンディションや牧場視察にまで同行するほどの熱意を見せてきた。夫の夢に寄り添い、勝利の栄光も敗戦の悔しさも分かち合う彼女の存在は、佐々木にとってマウンド上のキャッチャーミット以上に頼もしい防波堤となっている。