日本のインターネット黎明期、アンダーグラウンドな掲示板文化のなかで「検索してはいけない言葉」というジャンルが形成された。グロテスクな画像、精神的ショックを与える奇妙な動画、あるいはオカルト情報が並ぶそのリストの最上位に、常に君臨し続けているのがこの事件だ。
架空のホラーであれば、画面を閉じれば日常に戻れる。だが、この事件の詳細はすべて血の通った現実の記録だ。活字で記された拷問のディテールを追うだけで、激しい吐き気や不眠に苛まれる閲覧者が後を絶たない。ネットカルチャー(検索してはいけない言葉)という枠組みは、知的好奇心に駆られた一般の読者が不用意に深刻な心理的トラウマを負うのを防ぐための、集合知による防護柵として機能してきた経緯がある。