菅義偉氏の原点を紐解くうえで欠かせないのが、生まれ故郷である秋田県湯沢市(旧雄勝町)での生い立ちです。菅家は代々続く農家であり、政界に縁のある家系ではありません。
父親の菅和三郎氏は、戦後に満州から引き揚げた後、地元で農協役員を務めながら「秋の宮いちご」というブランド品種の開発・普及に尽力した敏腕農業家でした。晩年には雄勝町議会議員も務めています。母親のタツさんは元教師で、教養高く厳格な教育方針のもとで子どもたちを育て上げました。
菅氏本人は4人姉弟の長男(姉2人、弟1人)として誕生。高校卒業後に「自分の力で生きていきたい」と単身上京し、段ボール工場で働きながら学費を貯め、法政大学第二部(夜間学部)法学部を卒業しました。世襲議員が多数を占める日本の政界において、地方の農家から首相にまで上り詰めた菅氏のバックボーンは、まさに異例中の異例といえます。