冷え切った眼光。感情を削ぎ落とした低音ボイス。義眼になる前の「風間公親」を演じた木村拓哉は、従来のヒーロー像を完全に脱ぎ捨てていた。彼が演じる風間は、決して若手を優しく導くメンターではない。むしろ容赦のない質問で新人の逃げ道を塞ぎ、自力で事件の核心を抉り出させる冷徹な壁だ。
木村が醸し出す張り詰めた空気は、画面越しにも息苦しさを覚えるほどだった。現場での些細な違和感を見逃さず、指導生たちの嘘やトラウマを容赦なく剥ぎ取っていく。白髪交じりの短髪とスーツ姿から漂う凄みは、木村拓哉という俳優のキャリアにおけるひとつの到達点を示している。