教科書の「人類の進化図」は誤解だらけ?最新学説が明かす系統樹の真実の詳細について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

21世紀に入り、古人類学に最大の革命をもたらしたのが「古代DNA解析」です。化石骨から直接ゲノムを抽出し解読する技術により、人類進化系統樹は劇的な書き換えを迫られました。

かつては「新人がアフリカから進出し、先住の旧人を完全に駆逐・絶滅させた」という置換説が主流でした。しかし、シベリアやヨーロッパの化石からDNAを解析した結果、現生人類(ホモ・サピエンス)はヨーロッパのネアンデルタール人やアジアのデニソワ人と出遭い、日常的に交配していたことが決定的となりました。

現在のアフリカ以外の地域にルーツを持つ現代人のゲノムには、およそ1〜2%のネアンデルタール人由来の遺伝子が含まれています。さらに、アジアやオセアニアの集団にはデニソワ人のDNAも色濃く残されています。フランスの遺跡で有名なクロマニョン人(初期ヨーロッパ新人)が暮らしていた時代、人類は単一の純血種ではなく、別種同士の遺伝子が混ざり合うハイブリッドな存在だったのです。