結膜炎は細菌性?ウイルス性?見分け方と充血・目やにの決定的な違いとはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

インターネット上やSNSでは、結膜炎に関して科学的根拠を欠く誤解が散見されます。それらを鵜呑みにすることで治療が遅れ、病状を悪化させるケースが目立ちます。

代表的な誤解が「薬局で売っている『抗菌目薬』をさせばどんな結膜炎でも治る」という思い込みです。市販の抗菌目薬に含まれるサルファ剤(スルファメトキサゾール等)は、一部の細菌の増殖を抑える効果しかありません。ウイルスに対しては無力であるばかりか、黄色ブドウ球菌などの耐性菌を生み出すリスクさえあります。点眼を続けても症状が好転しない場合は、原因がウイルスであるか、その抗菌成分が無効な菌種であることを疑う必要があります。

また、「充血を早く消したい」という理由で、充血除去成分(塩酸テトラヒドロゾリンなど)を含む一般用目薬を多用するのも非常に危険です。血管収縮薬は一時的に血管を縮めて白目を白く見せかけるだけで、根本的な病原体を取り除くわけではありません。薬効が切れるとリバウンド現象で血管がさらに拡張し、かえって充血が悪化するうえ、局所の血流低下により病原体への生体防御反応を妨げる結果となります。

さらに、ネット上で見られる「水道水や塩水で目を念入りに洗う」という対処法も推奨されません。水道水に含まれる塩素は結膜や角膜の繊細な上皮バリアを傷つけ、涙に含まれる抗菌成分(リゾチームやラクトフェリンなど)まで洗い流してしまうため、かえって感染を広げる要因になります。