筋トレの成果が出ない理由を掘り下げると、避けて通れないのが遺伝的要因と体内環境の差です。筋肉を構成する筋線維には、瞬発力に優れ筋肥大しやすい「速筋」と、持久力に優れ太くなりにくい「遅筋」が存在します。この比率を決定づける要因の一つにACTN3遺伝子があり、生まれ持った遺伝子のタイプによって筋肉の肥大スピードに個人差が生じるのは紛れもない事実です。
さらに、筋肉の成長を抑制するタンパク質「ミオスタチン」の血中濃度や、筋肉の合成を促すテストステロン(男性ホルモン)、成長ホルモン、インスリン様成長因子(IGF-1)の分泌量も大きく影響します。テストステロンの分泌レベルが低い環境では、筋タンパク質の合成シグナルが十分に伝達されません。
また、隠れた病気や内分泌系の異常が関与しているケースも見逃せません。代表的な例として甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)が挙げられ、代謝が異常に活性化することで筋肉が分解されやすくなります。加えて、慢性的な腸炎や消化器系の疾患が栄養吸収を阻害している場合もあるため、倦怠感や体調不良を伴う場合は専門医の診断を視野に入れる必要があります。