政府が掲げる「資産運用立国」実現プランの中核として、金融庁は家計金融資産を「貯蓄から投資へ」とシフトさせる構造改革を推し進めています。制度開始から2年余りが経過した2026年現在、金融庁の新NISA(少額投資非課税制度)は国民的な資産形成プラットフォームとして完全に定着しました。口座開設数は急速に伸長し、20代から40代の現役世代だけでなく、シニア層の資産寿命延伸に向けた活用も一般化しています。
この大改革の背景には、歴代の金融庁長官が積み重ねてきた「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)」の徹底があります。かつて問題視された回転売買や高額な手数料を課す金融商品の乱売に対し、歴代長官らは金融機関に対してビジネスモデルの根本的な変革を迫り続けました。その結果として結実したのが、現在のつみたて投資枠における厳格な商品選定基準です。
ネット証券やSNS上では「金融庁の投資信託おすすめ銘柄はどれか」という議論が頻繁に見られますが、金融庁自体が特定の商品を個別に推奨することはありません。金融庁が定めているのは、「販売手数料(ノーロード)が無料」「信託報酬が極めて低水準」「長期の資産形成に適した分散投資を行っている」といった厳格な適格要件のスクリーニングです。制度の器を整えることで、利用者が過度なコスト負担を強いられることなく、着実に資産を育てる環境を整備しています。