このルーズなシルエットは、どこからやってきたのか。時計の針を戻せば、90年代のヒップホップ・カルチャーに突き当たる。ダンサーやスケーターたちが動きやすさと反骨精神を象徴するために愛用した極太ボトムスが、すべての始まりだった。
当時の熱気をリアルに描写した映画『Mid90s ミッドナインティーズ』を観ればわかる通り、破れたデニムとオーバーサイズTシャツの組み合わせは、少年たちのリアルな制服だった。また、ニューヨークのスケートショップから世界的なアイコンへと登り詰めた『シュプリーム』のアーカイブも、この時代の空気感を色濃く残している。
だが、現在のトレンドは単なる過去の焼き直しではない。かつてのラフさに洗練されたテーラリングの要素が加わり、よりラグジュアリーで計算し尽くされたデザインへと進化を遂げている。