バラエティタレントとして確固たる地位を築いていた彼だったが、40歳を前にして大きな転換期を迎える。「このままの芸風で50代、60代を迎えていいのか」という葛藤の末に出会ったのが、古典芸能である上方落語だった。月亭八方の落語に感銘を受けた彼は、自ら弟子入りを志願。2008年、40歳にして本格的に落語の修業を開始した。
2013年、彼は芸名を「山崎邦正」から高座名である「月亭方正」へと本格的に統一し、吉本興業の看板を背負いながら落語家としての道を歩み始める。バラエティで見せる「ヘタレキャラ」とは一線を画し、高座の上では巧みな噺の構成力と表情豊かな語り口で客席を魅了。かつてイケメンとして脚光を浴びた男は、半生をかけて磨き上げた芸の力で、伝統ある上方落語の世界に新たな風を吹き込んだ。