インターネット上の旅行ブログや口コミの一部では、「京都の老舗うどん屋のような、ふんわり柔らかい麺を期待していったら讃岐風で驚いた」という感想が散見されます。ここに、初めて訪れる人が知っておくべき重要な盲点があります。
つくもうどん塩小路本店は、いわゆる伝統的な「京うどん(柔らかい細麺、あんかけ、刻み揚げ)」を提供する店ではありません。あくまで長崎・九十九島のいりこ文化と讃岐うどんの剛直な製麺技術を融合させた、独自のハイブリッド讃岐うどんです。
出汁の返しには関西風の繊細な調合を用いつつも、ベースとなるスープのパンチ力と麺の弾力は讃岐スタイルに近いため、「京都らしいはんなりとした薄味」だけを求めていると印象にギャップが生じる可能性があります。しかし、この「京都の出汁の上品さ」と「讃岐の力強い旨味・食べ応え」を高い次元で共存させている点こそが、全国のうどん通を唸らせている最大の理由なのです。